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タイ旅行記P1

飛ぶのか!?


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10月6日(金)

 朝から激しい雨と風である。
バックパックのパッキングをしながらフライトが気になる。
今回の旅は出発前から波乱の兆し。

 エアチケットを取ったビーマンバングラディッシュは格安だから止むを得ないが評判はあまり良くないようだ。
しかし、そんなことは特に気にしていないが、出発日の2日前になって出発時間が遅れるとの連絡があった。
そして、朝からの激しい雨と風である。

 車で成田まで送ってもらい、第2ターミナルで降ろしてもらい車を見送る。
そこで俺は重大なミスに気付く。

「あ! エアチケットとパスポートを車に忘れた!!」

 激しい雨と風の中佇む俺、遠ざかる車、運転者のケータイは知らない…
結局は何とか連絡を取り、届けてもらえた。
しかし、連絡が取れるまでは「今回の旅行はやめろと運命の神様が言ってるのか?」と思ったり、
「飛行機乗れなかったら3週間どこに行こうか。」と考えたりしていた。

 チェックインを終えATMで現金を下ろし、本屋へ向かう。
いつも成田で出発前に文庫本を買っている気がする。
一応、トレッキングにも出かけるので下痢止めも買っておく。
出国手続へ向かおうとしたそのときターミナル内のアナウンスが俺の名前を告げたような気がした。

 案内カウンターに行ってみるとATMにキャッシュカードを忘れていた。
俺は普段あまりこういうケアレスミスはしないが、今日に限って2連発。
これで厄落としとしたいものだが、俺の注意のレベルを上げろと運命の神様が言っている、と理解した。

 出発まではまだ時間があったのでビールを飲む。
今回の旅では何本ビールを飲むだろうか。

 搭乗口に向かう、窓の外は雨風ともに勢いを増している。
窓の外を眺めながらビールを飲んでいる。目の前に見たことのある人影。
大学時代のサークルの3コ上の先輩だった。

 このサークルはサークルなのに体育会乗りで、特に男の上下関係は厳しかった。
3コも上ということはホントに神様みたいな存在で、畏れ多い存在である。
それまでベンチの上で胡坐をかいてビールを飲んでいた俺もビールを置いて立ち上がり直立で挨拶。
同じフライトではなかったが、こういう偶然もあるもんだね。

 ますます雨風は勢いを増しており、滑走路に溜まった雨水は風で波打っている。
フライトをキャンセルする便も出ている、ビーマンは飛ぶんだろうか?俺はタイにいけるんだろうか?
フライトがさらに遅れるとアナウンスがあった。
成田までの電車も遅れているらしく、慌てて搭乗口へやってくる人たちも多い。

 16時15分に搭乗開始、当初出発時刻は11時10分だった。
搭乗して安心していたが、いっこうに離陸しない。
18時過ぎにようやく離陸、当初出発時刻から6時間以上遅れている。

 当初は夕方バンコクに着いて安宿を探す時間の余裕もあると思っていたが、18時過ぎの離陸となるとバンコクの新空港スワンナプーム空港到着は23時ころでバンコクの街に着くのは0時を過ぎるだろう。
初めての国、初めての街で深夜に到着。
ペルーに深夜に到着した記憶が蘇る。

 現地時間22時20分、スワンナプーム国際空港に到着。
 ビーマンバングラディッシュ航空はうわさほどではなく、機体も綺麗だし、トイレも綺麗、機内食のデザートは?だがその他はまずまずで特に不満もなく、ある意味期待はずれだった。

 スワンナプーム国際空港は9月終わりころにオープンしたばかりとありとても綺麗だが、現在も工事中のところもたくさんあった。
入国手続もあっさりと済ませ、タイバーツへの両替も済ませてエアポートバス乗り場へと向かう。

 俺の乗りたいバスが出るまでは40分以上あるらしい。
時間もあるし、機内食はあまり食べなかったので軽く食べてビールでも飲もうとフードコートへ。
ここでタイ初の食事、麺(名前分からず)とビールを注文する。

 空港のフードコートなのであまり期待はしていなかったが、この麺がとても美味しかった。
あっさり味のスープに調味料で味付けするスタイルもとても気に入った。

 0時30分、バスが出発、一路バンコクの街中へと向かう。
タイの時間は日本の2時間遅れ、すなわちこの時点で2時30分。
今日(正確には昨日)の朝7時に起きて、機内ではほとんど眠らなかった俺はここで睡魔に襲われる。

 気が付くとバスの運転手が何か叫んでいる。
どうやら俺の目的地のようだ。
俺の前に降りた人がいた、俺も慌ててバックパックを背負って降りる。
バンコクの夜は思ったほど暑くないし、湿度も高くない。

 さて、ここはどこだろう?
地図を見ても俺が考えていたバスストップとは明らかに違う。
初めての街で既に2時前である、タイを3週間旅をした今なら一人で何とでもなると思えるが、このときはさすがに少々焦る。
同じ所で降りた人はどうやら日本人(Sさん)、あまり他人の力を借りるのが好きでないので少々葛藤するも声をかけ一緒に宿を探すことにする。

 どうやら二人が目指していた場所は同じ所らしい。
目的地近辺で宿を探すが目当てのところはどこもいっぱいで部屋がない。
Sさんの提案でSさんが以前泊まったところに行こうということになった。
確実に泊まれるとは思うが、タクシーに乗る必要があるらしい。
2時過ぎである、もういい加減眠いし落ち着きたいとの気持ちから提案を快く受入れてタクシーに乗り込み、部屋の確保に成功する。
しかし、今回の宿の落Zは1泊200バーツ(約600円)に設定していた俺にとって1泊750バーツは痛かった。

 部屋も確保し、午前3時を回っていたため俺はこれで眠れると安堵した。
午前3時と言っても、日本時間だと午前5時である22時間起きてる。

 部屋の扉を閉め、ぼーっとしたのも束の間、扉がノックされてSさんがメシ食べに行こうとやってきた。
この誘いに乗ることにし、ホテルを出て屋台へ向かう。
ここではまた麺とカウ・マン・ガイという鶏肉をご飯の上に載せたものとビールを注文する。
これまた麺もご飯もとても美味しく、特にカウ・マン・ガイにかける辛いタレのようなものがすごく美味しい。
バンコクのけたたましい(午前3時というのに)車やバイクの音と排気ガスを味わいながら、ビールを飲みさっき出遭ったばかりのSさんと話をする。


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