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タイ旅行記P13

キレる、下山


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10月16日

 トレッキング最終日、目覚めると火を焚いていたのでそのまま暖を取りつつ火を眺める。
やっぱり薪の火は良い、俺も早くこういうスローな生活に移りたいものだ。

 昨夜、お世話になった家の子供にマッサージをしてもらった。
マッサージをしてもらうほど疲れてもいなかったが、ホーミーが「この家の子供はマッサージがうまいからやってもらえ」と言ったからだ。

 「いくら?」って聞いたら「君次第だ。そのお金が子供たちの学校でのおやつ代になる。」だって。
そう言われたら断れないよ。

 大人しくマッサージを受けて、お金を払い、残っていた行動食用のお菓子を全部あげた。
マッサージは上手くはなかったが、また外のテラスでやってもらったのもあいまって気持ち良かった。

 心地よい眠りに包まれる。

 最後の朝食である。

 写真にある筒状のものは竹の皮にもち米を詰めて蒸したものらしい。
美味しいのだが甘いのでおやつに丁度いいくらいかもしれない。
しかも、チャーハンとパンもあってさらなる炭水化物は1本しか食べられなかった。

 普段は朝食は採らないため、朝はあまり食べられない。
せっかく出してもらったものを断るのも気が引けるが量が多く全部は食べられない。

 美味しいし食べたいんだけどね、ごめんね、ホーミー。

 お邪魔した家の人たちに挨拶して、最後のトレッキングへ出かける。

 山岳民族の村(というか本来村には)にはたくさんの動物が放し飼いになっているにもかかわらず、臭いとかは全然気になることはない。
日本で養鶏や養豚をしているところに行くと飼料などの関係からか非常に臭いが気になる。

 やっぱり自然な行いではないんだろうね。

 村を出て急な坂道を登る。
またホーミーは頻繁に足を止め、俺に先に行けという。

 先に行ったところで結局はどこかで待ってなきゃいけないわけだ。
急坂を登り終えると放牧場が広がっていて、眺望も開けた。

 ここから第2の村からずっと歩いてきた道が見える。
登山をして自分が辿ってきたルートを見るといつも我ながらよく歩く(走る)と思う。
人間の力も捨てたもんじゃない、機械に頼って力を失わないようにしたい。

 たっぷりいろんな話をホーミーから聞いて、休憩して山を下り始めるとすぐ現地の人と出会いホーミーは話し始めた。
 長い休憩明け、歩き始めてすぐに足を止めることに少しイラつく。

 話が終わり下り道、棘のある草が多い茂る道を下りる。
この草が厄介で痛い上に、引っ掛ってなかなか取れない。
これにまたストレスが溜まる。

 小川がある、俺は飛び渡るがホーミーは靴を脱いで渡り、その間俺は待つ。
そしてホーミーは休憩を取ろうとする、俺は必要ないと応じない。

 こうして今考えると下らないことであるが、少しずつ溜まっていたストレスが爆発してしまった。

 ランチのときにホーミーに「ゆっくり歩きたくないし、止まりたくない!」と言って怒ってたら、イギリス人夫妻が「まあまあビールでも飲んで、気楽に行こう」みたいなことを言ってビールを勧めてきた。

 半分ヤケになっている俺は、勧められるがままビールを飲む。
そのうちにどうでも良くなり、気楽に行くことを決心。

 ランチ後、早く歩くと約束したホーミーだったがやっぱり登りは無理みたい。
しかし、ほろ酔い気味のせいかあまりストレスは感じなかった。

 のんびり山を歩いていると今までの村より大きい集落が見えた。
そこがトレッキングの終着点だった。

 普段の単独登山より疲れてはいないが、やはりゴールすると今までの張り詰めていた気分が緩む。
 売店で冷たいビールを買い一気に飲み干す、頭から水を浴びて2本目のビールを飲んでいると子供たちが寄ってきた。

 子供嫌いを返上しようかと思うくらい良い笑顔だ。
 トレッキングのシメにふさわしい。


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