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トロント通信172号

Toronto News Letter


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Vol.172 27th Oct.2004 映画アメリカ版『Shall We Dance?』

さて、週末、気になっていた96年の日本映画「Shall We ダンス?」のアメリカ版リメイク『Shall We Dance?』を観てきました。
監督はイギリス人のPeter Chelsomという人で、2001年に「セレンディピティ」を監督した人。

ご存知のように役所さんが演じたサラリーマン役はリチャード・ギア。
そしてダンサー役にジェニファー・ロペス(なぜに!)。
そしてリチャードの妻にはスーザン・サランドンというキャストを見ると、いかにもアメリカナイズされた感じ。

が、観てびっくり。物語はかなりオリジナルに忠実で、思ったより全然よかったです。
もちろん随所にえー?って思えるところがあったけど。

まず、リチャード・ギアにあの日本のサラリーマンの疲れというものがまるで滲み出ていないのがやはり気になりました。

あとジェニファー・ロペス。私、彼女の演技をちゃんと見るのって初めてだったけど、彼女演技あまりうまくないですね。
ダンスはやっぱりうまかったんだけど、それもなんか自分の体を見せびらかしてる感じで。
しかもオリジナルはあのダンサーの人の(草刈民代さんだよね)冷たい感じ、
そういう人が心を開いてまた踊る情熱を見出すっていうそこに大きな意味があったのに、
ジェニファーの演じるダンサーにはそういう苦悩や深みが全くない感じ。
リチャードが彼女からの手紙を読むところで、彼女の声が出た時なんか、
いかにもべた何感じで、笑っちゃいそうになりました。
いかにもとってつけたような彼女のファッションも、
あまり映画の雰囲気に合ってなかった気がするんだけどねえ。

スーザン・サランドンも強気な妻になっちゃってて、
オリジナルのニュアンスはどうやら汲み取れなかったようですね。
もう少し地味な女優さんでよかったのにねえ。

ポスターです。リチャードはでもいい人って感じが良かったです。 photo

主要3人のキャスティングにはやはり違和感があったものの、脇役勢はかなりいい感じでした。

オリジナルでは竹中直人さんが演じた、あのヅラかぶりダンサー(強烈だったねえ)を
スタンリー・トゥッチーが演じています。
彼、トム・ハンクス主演の「The Terminal」で嫌味なオフィサーを演じていた人。
それが信じられないほどの大変身!すごいです。
でもやはり竹中さんほどの怪しさは出せなかったねえ。

そして渡辺えり子さんが演じたおばちゃん役にはリサ・アン・ウォルターという女優さん。
彼女も太めで、言いたいことをずけずけ言うところなんかそのまんま。
でもやはりおばちゃん根性プラス努力家で、優しいというあの微妙な感じはえり子さんのようにはいかず。

それからたまこ先生。かわいかったよねー。
これはアニタ・ジレットという女優さん。
オリジナルとは違って、レッスン中に隠れてお酒を飲んだりしているけれど、
見た目はたまこ先生そっくり(雰囲気とか)だからびっくり。
もうすこしあのかわいらしさがあればよかった。

一緒にレッスンを受ける男性二人。
黒人で太り気味の彼(後に彼と組むパートナー役の女性はシンガーのMyaでした)と
若くて女の子目当てって感じの兄ちゃん。
引越しのサカイのおじさんみたいな人じゃなかった。
それでもこの二人もほがらかで、いい味出していたと思います。

やはり売らないといけないことを考えての主要3人のキャスティングがあまり適切ではなかったにしろ、
全体的にはとてもよくできていたし、腹が立つかと思っていたけれど、いいエンターテイメントの映画になっていました。

でもやはり日本的なもの(内面的な)は徹底的に省かれていた感じ。
というか、無理だったんでしょうな。
あの微妙な人間関係や社会のニュアンスっていうのをアメリカものに持ち込むのは。
でもその微妙なところが大事なんだけどねえ。
アメリカリメイクものはいつもその一番大事なところが抜けちゃってるんだよね。
気づいてないんでしょうか。

あ、あとダンサーの送迎パーティーみたいので、ダンサーが言う「Shall we dance?」という大事なシーン。
これもジェニファー、全く何の感慨もないようにさらっと言っちゃって、「わかってないなあ」と思った。残念。

でもまあアメリカリメイクものとしてはほんとに上出来です。
これをみて、本当に改めてオリジナルの良さを再確認しました。
ストーリーの面白さ、そして笑いの中にある感動。
周防監督はこれを見て一体どう思ったんでしょうかねえ・・・。

Shall We Dance? Official Site (English)

昨日からまたPCの調子が悪くて、すごいむかつく。
今日も本当はもっと色々書きたいことがあるんだけど、このくらいにしておきます。


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