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vol.20

vol.20

1996年12月14日土曜日午前5時。
今私は東京は渋谷パンテオン前に来ております。
まだ辺りは真っ暗です。おまけに小雨までも降ってきました。
建物の前には路上生活者の方々や昨夜から飲み続けているであろう人達が座り込んでおります。
一体なぜ私がこんな時間にこんな場所にいるのかというと、本日これからスピッツの新曲
『スカーレット』のプロモーションビデオ撮影を行うということなので同行取材してしまおうということになったわけなのです。
(注)レポーター風に読んでください

スピッツ
『スカーレット』
PV撮影同行日記

AM 5:00 渋谷パンテオン前
メンバー4人とも時間どおり集合。
けれども、なんと田村君、商売道具のベースを忘れたため、楽器担当の片山君とともの別の車で取りに帰る。

AM 5:10 ロケバス出発

AM 6:20 東名高速足柄SAで休憩&食事
ここで田村君ロケバスに合流。

AM 7:20 静岡県裾野市とりきパイプラインスタジオ到着
ウッドデッキが夜露で凍ってしまっていてすべる。
寝起きのマサムネ君と崎ちゃんうれしそうに滑りながらスタジオの入口へ。

AM 7:30 控え室で休憩。竹内鉄郎監督より「これから近くの牧場で撮影をして、目を覚ましてからスタジオ内で演奏部分の撮影をします。日中に終わらせるよていです」と説明。
この後監督とスタイリストさんとで衣装の打ち合わせ。牧場用の服に着替え、ヘアメイクをしてもらう。

AM 8:50 スタジオ出発

AM 9:00 牧場(忠ちゃん牧場)到着
「牧場ですからフンがあります。小さいものはしかたないですが、大きいのは踏まないように注意しましょう」と注意あり。

AM 9:05 大きな犬が崎ちゃんに近づく。「やっぱり犬好きはわかるんだねぇ」
と言いながらマサムネ君猫に近づく。「きれいな猫だね」この牧場の入口にいる猫や犬は人なつっこくて歩いているとついてくる。置物の様にかたまって動かない猫もいる。

AM 9:20 富士山が雲間から見える。メンバーも富士山をバックに4人ならんで撮影。
監督の「いつもどおりにして」の声に、テツヤ君両脇の崎ちゃんとマサムネ君と肩をくんで楽しそうに動く。それを横から見た田村君「いつもどおりって俺は入らないの?」(笑)。
それでもテツヤ君の動きは止まらず「ムーンチャイルド。シンパシィ感じる」とひとこと。
マネージャーの坂口氏大うけ。

AM 9:30 きれいな方の草原に柵をくぐって入って撮影開始。
さて凧あげでも・・・というところで牧場のおじさんにここは入っちゃ駄目と注意される。
「どっから入ったかわかんないけど、牛とか羊とかがその穴から入ってきちゃうんで、すぐに出て、入ったとこ直しといて・・・」。おじさん。ごめんなさい。

AM 9:35 反対側の草原へ、さっそく凧あげをはじめるテツヤ君。
走り出したとたん「わっ」の声に「地雷(?)踏んだ(?)」(笑)。「風がないからずっと走ってないと落ちてきちゃうよ」

AM 9:50 崎ちゃんと田村君シャボン玉をつくる。シャボン玉を8ミリで撮り続ける監督。

AM 10:00 ちょっと休憩
この日崎ちゃんがはいてるジーパンは27万円もする値打ちもの(もちろん、リースです)。 ジーパンに土(?)がつく度にスタイリストの大橋さんがタオルでふくふく。崎ちゃん「買い取り?(苦笑)」

AM 10:05 サイロの横にある電信柱が2,3本横になっているところに4人座り『スカーレット』のテープに合わせて撮影。
マサムネ君とテツヤ君はギター、崎ちゃんはそこら辺に落ちていた木の枝をもってスティックかわりにして演奏。「なんかトンガリコーンのCMみたいだね」

AM10:20 監督「マサムネ。疲れた顔しない!」この声にマサムネ君撫{棯パッと変わる。さすが。

AM10:45 間奏の部分にいろいろな振りをつけて撮影。4人ならんで交互にジャンプしたり、しゃがんだり、曲に合わせて指差ししたりする。

AM 11:00 水越しにメンバーの顔が映るよう、透明シートを用意して水をはり、上から覗くメンバーを下から監督が撮影する。(この説明でわかる?想像してみてくださいね)
監督「こりゃいいわ。ひとり水の中に顔をつけてくれればおもしろいね。」
テツヤ「上から見る鉄郎君の顔もオモシロイよ」

AM 11:15 せっかくだから牛と一緒に撮影も・・・。と牛に近づくがあまりに大きな牛のためメンバーひるむ。赤いコートのマサムネ君危うし。

AM 11:20 監督「次は仲良し4人カットといってビデオの王道です。4人横にならんで歩いてくるという」
マサムネ「Gメン’75?」
カメラの後ろで待機しているスタッフに向かって4人で楽しそうに話しながら歩いてくる。テツヤ君が「デカ〜メロ〜ン、伝説!」とわけのわからないパフォーマンスをしていて、マサムネ君が大笑いしている。

AM 11:30 牧場での撮影終了。
この後スタジオに帰ってから田村君はひそかに靴の底を洗ったらしい。ついてたらこまるもんね。スタイリストさんもメンバー衣装のパンツの裾をもみ洗いしていた。

AM 11:45 メンバーは昼食。その後スタジオ撮影用の着替えとヘアメイク。
この間も撮影スタッフは食事もとらず撮影準備。クレーンカメラのセッティングや部屋の小物のチェック。メンバーの座る位置にダミーが座り、カメラの動きの確認などしている。

PM 1:00 スタジオ内での撮影開始。
まずは監督からメンバーにモニターを見ながらこんなふうに撮影するよと説明。
演奏シーンを撮影。1回撮る度にカメラマンやクレーンを動かす人と打ち合わせしながら、
監督「何度も何度もと言ってすみませんが、何度もお願いします。」と計10回撮影。

PM 2:20 フィルムチェンジのため休憩。
控室にレジャーマットをひいて横になるマサムネ君「疲れると胸のまわりが痛くならない?子供の頃は俺は人造人間だから痛くなるんだと思ってた(笑)」

PM 2:30 同じ位置でひとりずつの演奏シーンを撮る。ドラムを撮るときでも他の3人も映るため4人で演奏する。崎ちゃん、テツヤ君、田村君の順番。

PM 3:40 フィルムチェンジのため休憩
日が傾いて暗くなってきたので、大きな白いカーテンをはずす。

PM 4:00 曲全部を演奏しながらクレーンを大きく動かして撮る。

PM 4:15 マサムネ君のボーカルをメインに歌っているシーンを撮る。
田村君は本を読み、崎ちゃんはシンバルを磨き、テツヤ君は椅子で寝る。

PM 4:30 暗くなってきたので、外から白い幕ごしに照明をあてたり部屋の中からの照明にフィルムをはったりする。

PM 5:25 フィルムチェンジのため休憩。

PM 5:30 テツヤ君寝てる場面からギターをもって弾くシーン。その後崎ちゃんシンバルを磨くシーン撮影。

PM 5:55 田村君撮影。
田村君小道具の本にはまってしまい、読破。ちなみにこの本は出久根達郎作『佃島ふたり書房』という本でした。

PM 6:00 カメラのアクシデント発生!!
マサムネ君のボーカル部分から撮り直す事になる。メンバーはちょっと休憩。ヘアメイクもやり直す。

PM 7:00 撮影再開。
監督「俺、ここに野生のキツネみたいにいるけど気になる?」とマサムネ君の目の前に座り込み、マサムネ君のひょうじょうとモニターを見ながら撮影。

PM 8:55 撮影終了
ずっと同じ椅子に座りっぱなしのマサムネ君「腰がいたーい」。

PM 9:10 バスの中でお弁当を食べながら東京へ戻る。

PM 11:00 渋谷着。
とにかく長い1日でした。レポートは岡本でした。

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