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JUICE

JUICE

”伝えられる曲”をベースに作れたらいい

■アルバムが完成した感想はいかがですか?

草野:完成した時はね、「もう、終わっちゃうの?」っていう感じでしたね。「もうちょいやりたいなぁ」って。名残惜しい感じだった。

■まだ手を加えたいって感じですか?

草野:いや、まだレコーディングの雰囲気に浸っていたいって・・・。

田村:楽しかったんでね、完成はしたんだけど、雰囲気は残っちゃうんで。

■今回は同じスタジオで集中的にレコーディングされたんですよね。

草野:それだけに、もっとやっていたいというか・・・。
9月なんてほぼ毎日のように通ってましたから。学校卒業しちゃうような感じ(一同笑)。

三輪:そういう気持ちがある反面、エンジニアの人、プロデューサーの人が凄く忙しい人だったんで、今回はそのスケジューリングが大変だった。そういう意味では、終わった時には、「何も無くてよかった。ちゃんと出来たんだな」って充実感がありましたね。

草野:ドミノ倒しが途中で止まったりすることなく、スムーズに倒れたような、ね。

■今回のアルバム『スーベニア』で、いちばんスピッツらしいところはどういうところで出せたと思いますか?

草野:スピッツらしさ・・・。それは自分達では分からないですね。スピッツらしさっていうのは、たぶん聴く人が判断することで、俺たちは意識せずにやってるとこなんで。何やってもスピッツ節になっちゃうだろって、開き直りみたいなものもあるし・・。

田村:そういうことから逃げるのは止めよう、と。あえてハズすことを俺らはしてない。どうしてもハズしたいと思うこともあるけど、やっぱり出来ない。そういうことを考えてること事態、自然体じゃないんだけど、いちばん得意なことを聴かせることが、自然じゃないかって。

三輪:難しいな、言葉で言うの・・・。でも、今回も俺の中では期待以上のものができたかな。

■2年4ヶ月ぶりの11枚目のアルバムということなんですけど、今回のアルバムのテーマを教えて頂ければと思うんですが。

草野:最初に考えていたのは、”伝えられる曲”をベースに作れたらいいなと思ってました。今年の頭にファンクラブ・ツアーをやったんですけど、そこでアルバムに入っている「優しくなりたいな」「会いに行くよ」「恋のはじまり」をやってて、その辺りの曲をベースにして世界を広げていきたいなと思ってました。

■アコースティックなものもあれば、ストリングスのきれいな楽曲もあったり、いい意味での土臭さみたいなものが感じられるアルバムになっていると思うのですが・・・。

草野:それは結果的にそうなっただけで、どの曲もメロディーラインやリリックが弾き語りでもイケる曲として作ってました。だから見方によっては、旬な部分がしっかりあれば、どんなアレンジでもスピッツになっちゃうだろう、そういうことでしょうね。そこから色んなアレンジの曲に広がっていったんです。

■皆さん、それぞれのパートをレコーディングされていて、アレンジしていく上で意識したことや、これまでと違った点はありましたか?

田村:いつもある程度形を作ってレコーディングに臨むんですけど、レコーディングに入ったらそれをいかに崩して出すかを意識してます。今回はそこを自分なりに上手く阜サできたかなって思います。

崎山:マサムネが持ってきた曲を聴いて、バンドで演奏した時、素直に出てきたものを大事にしようって強く思っていました。

草野:今回、曲作りで変わったことは、デモ・テープを録る上で新しいマルチ・トラック・レコーダーを買ったんで、作業が楽になった点かな。家でデモ・テープを作る時は、ドラム・パターンとベースのフレーズを弾いて、ギター弾いてって感じなんですけど、パンチング・アウトがとっても楽になったんで、曲作りに凄く影響が・・・。ちょっと悪乗りしたフレーズを弾いてみたりとか(笑)。面倒くさがりなんで。ホントに操作が簡単な機材じゃないと扱えないんですよ。未だにパャRン導入してないですしね。

「また、はじめよう」ていう気持ちは確かに強かった

■そうだったんですね(笑)。ところで、歌詞の中で「これから色んなことがはじまる」というニュアンスがあったり、そういうイメージを受けるパートがあったんですけど、このアルバムを作る上で、そういう部分を特に意識されましたか?

草野:うん。『三日月ロック』でちょっと一区切りっていう気持ちがあったんで「また、はじめよう」っていう気持ちは確かに強かったですね。30代後半になってきて、40歳になると落ち着くようなイメージがあったんですけど、「全然、そんなことねぇだろ」って。30代後半になってもね、何かこんなんだし(笑)。でもそれはバンドマンにとってはいいことかもしれないなって思ってて。30代後半になっても「まだまだなんだな」って・・・。最近、印象に残った話で、アメリカに、75歳でルーキー、キャプテンの選手が90歳だって。

■凄いですね!

草野:そういう世界があるんだと思ったら、36歳、37歳なんて「ホントまだぺーぺーだな」って。30代って「まだ、これからじゃん」って思い込むんじゃなくて、本当にそうだなって思うことが、レコーディングでもライブでも多いんで、新たにスタートするような決意楓セとしての言葉が散りばめられていますね。

■ラブ・ャ塔Oに聴こえそうなんですけど、もっと広い意味での人生観が沢山聴こえてくる気がするんですけど、今だから言える人生観みたいなものも盛り込まれてますか?

草野:そうですね。この歳になったからっていうことはあるでしょうね。ラジオのDJの方で40代後半の男の人に「いいね」って言われて。年上の男の人にそう言ってもらえると、特に嬉しいですね。

■今回の歌詞については、皆さんどう感じていらっしゃいますか?

三輪:う〜ん、そんなに深くは理解してないと思います(笑)。

草野:ふふふ。

三輪:歌詞の意味を聞いてもあまり説明しなかったし・・・。

草野:説明しないんです(笑)。

三輪:だからリスナーと一緒で、勝手に解釈して広げてく。それでツアーに出たり、その時の自分の状況や精神状態でボーンと耳に入ってくる言葉があったりして・・・。歳を重ねていくとだんだんネガティブな感じになっていくんだけど、スピッツの4人でいると凄くポジティブになれるんで。その辺が今回のレコーディングにも出てるし、聴いてくれている人がそう思ってくれたら凄く嬉しいな、と思います。

■他の皆さんはどうですか?

崎山:やっぱりね、歌詞はいつもながら素晴らしいなと思ってますね。やっぱり聴く人それぞれが、その世界に入り込める余地がある、そういう世界は凄いと思う。自分の経験とか、今まで起きた人生に当てはめて号泣するみたいな、そういう瞬間もありますし。

■ですよね。メンバーの方それぞれ、1曲1曲の感じ方は違うと思うんですけど、こう聴いてもらいたいっていう気持ちはあるんですか?

草野:いや、それはね、どんな風にでも聴いて下さい。限定したくないので・・。「この歌詞どういう意味ですか?」って聞かれても、説明しちゃうと「何だ・・」ってことが多いと思うんで、聴く人それぞれのイメージを広げてもらえたらいいな、と。曲はその後ひとり歩きすると思うんで。

■ちょっと唐突な質問なんですが、皆さんにとって音楽ってどういうものになりますか?

草野:どうでしょうね、不思議なものなんだよ、音楽って。ある意味、一生を懸けて研究する研究材料みたいなことでもあるし。

田村:あまり小さい頃から変わってなくて、嫌なことがあったら音楽聴くし、楽しいことがあっても音楽聴くし、そんな感じですね。それは音楽を好きな人だったら分かると思うんですけど・・。

■ありがとうございます。ところで1月下旬からツアーが始まりますね?

三輪:『スーベニア』の曲を皆の前で演奏するとどういう風になるのか、自分の中の印象が変わっていくのか楽しみだし。またどんなライブになるのか・・一歩一歩違うんだよねー、ホントに。それも楽しみだし。

■ライブをこなす事によって曲が育っていくような感触ってあるんですか?

三輪:それはありますよ。思ってるようにいかなかったりするのも楽しみのひとつに入るんですけど、「これ盛り上がるだろうなー」って思っても、盛り上がらなかったり、「この曲で盛り上がるの?」ってそういう驚きもあるし。それはCDだけじゃわからないから。ライブをやってる意味がそこにあるので、楽しみですね。

崎山:俺は草野球の試合があるので、勝ちたいですねー、以上(笑)。

■ツアー中も試合があるんですか(笑)。

崎山:行った先々のチームと対決させてもらってます。

草野:俺は賑やかしで補欠で、崎ちゃんはキャプテンで。

三輪:(自分を指して)連絡係(笑)。

お客さんを近くに感じながらやれるバンドでいたいですね

■連絡係(笑)。それでは最後に、2005年のスタートをこのアルバムと一緒に切ると思うんですが、今年1年間の抱負とメッセージを頂ければ、と。

三輪:1年かけてのツアーなので、本当に1歩1歩丁寧に大事にしていきたいですね。そうすれば1年って凄く早いんで、無駄のないように頑張っていきたいと思います。

崎山:音楽を通して色んな場所行って、色んな空気を吸って、色んな仕事をやって・・・、そういうことって凄い幸せなことだし、沢山感じて、それでもちろんライブを思いっきりやりたいですね。

田村:『スーベニア』の曲を大事に育てていきたいですね。

草野:『JUICE』ってライブハウスに置かれているんですよね?

■そうです。

草野:スピッツもライブハウスからスタートしてるんですよ。結成して17年経っても、ライブハウスでやってた頃の気持ちを持ち続けながら、大きな会場になってもお客さんを近くに感じながらやれるバンドでいたいですね。

■ありがとうございました。

一同:ありがとうございました。

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